肥満小児のNASH(非アルコール性脂肪肝)について

“Serum uric acid concentrations and fructose consumption are independently associated with NASH in children and adolescents,”(小児、青年期のNASHと尿酸値と果糖摂取の関係)

2017年の「Journal of Hepatology」(肝臓関係では有名な医学雑誌)に掲載された報告です。

イギリスとイタリアからの報告で、太った若い人の(平均12.5才)NAFLD(言い方は変ですが、普通の脂肪肝)患者さん271人を肝生検して調べたそうです。

(ここがちょっと驚きです。平均?中学生の患者さん200人以上を肝生検したようです。中学生の肝臓をブスッ!と刺す・・・。まあ、研究とはいえ、私には到底できないことです。)

その結果、271人中、102人(37.6%)がNASHと診断されました。(まあ、この率は高いものですので、肝生検は悪行とは言えないかもしれませんが・・・)

そこで調べてみると、ALT(肝機能の数値)、尿酸値、果糖の摂取量がNASHの患者さんに多かったようです。

尿酸値5.9mg/dl以上の比率(尿酸値の正常は男性で3.8~7.5mg/dl、女性は2.4~5.8mg/dl)はNASHで47%、NASHではなかった人で29.7%、つまりNASHで優位に高かったなっていた。(確かに優位とは言えますが、これでは診断には使えませんし、そもそも太った中学生を採血して尿酸値を調べること自体が困難でしょう!)

果糖(フルクトース)の一日摂取量は、NASH70.4gでNASHではなかった人は52.6g

でした。

尿酸値、果糖(フルクトースに関しては、NASHとの関係が以前から指摘されていまが、中学生で悪いことが明らかになったのは最初の報告でしょう。

フルクトース・・・、音的には優しい響きですが(私だけが感じる?)、これはかなりやばいヤツです。最近、悪者とされることが多いグルコースよりもフルクトースが悪党なのです。

清涼飲料水、ハチミツの多く含まれるフルクトースは、中性脂肪、LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)を増加させ、血圧を上げ、心臓病、肝臓病を作り上げます。他にも色々あり過ぎるほどの副作用があり、フルクトースが尿酸を上昇されるという報告もあります。

ん?尿酸値が高いのも、果糖の摂取が多かったからかもしれませんね・・この文献。

いずれにしても、太った中学生は、果糖が入ったものを控えて、瘦せるようにすれば、NASHになりにくい?ということかもしれません。(それにしても、ポ〇リスエット、ア〇エリアス、い〇はす、午後の〇茶、サイダー類・・・、大人でも怖い怖い)