肝臓がんの診断と治療

福岡市に開業して、3年が経ちました。
これまで、久留米で病院を継承し、肝臓病の診断と治療(主に肝臓がん)を20年以上やっていましたが、今も肝臓病の診断と治療をクリニック開業後も続けています。
ただし、入院施設はありませんので、肝生検(肝臓の組織を採る検査)や肝がんに対するラジオ波を使った治療(ラジオ波焼灼療法)やエタノール注入療法は、福岡市内の病院や久留米市内の病院を使わせていただき、私がそこに伺って行っています。

福岡市内で肝臓病を診てもらえる施設は多くあるようです。
肝臓病といっても、①肝臓自体の病気と②肝臓のできものと大きく分けられますが、その両方に精通した医師はそれほど多くないと思われます。
また、大きな施設(大学病院等)では、①と②で分けられていることが多く、肝炎の治療はできても、肝がんの治療はできない(知識はあっても経験はない)医師も多いようです。
最近では、大きな施設ではお腹のエコーは技師さんに任せられて、医師がする機会は減っているようですので、十分なエコーの経験を持った医師(特に若い先生)も少なくなっています。
他の画像診断(CTやMRI)も、その診断は放射線科の医師に任せてしまうことがあり、読影(画像を見て診断する)する能力も十分ではないようです。(実際に画像診断を依頼した病院からの返事で、癌が見落としされているケーズが多いことに驚かされます)

医療に専門性が求められ、肝臓の病気も細分化されてしまい、肝臓の診断治療が十分ではないことも少なくありません。大きな施設で、肝臓を専門とされる先生が数人いらっしゃったら、肝臓の専門分野を補い合うこともできるでしょうが、専門の先生が少ない施設では困難と思われます。
ただし、肝臓内科を医院等で表示するのであれば、その診断および治療ができる医師であるべきと思います。
診断(肝生検やCTやMRIの所見を含み)、治療は人任せにする。
自分はその専門(がんの治療等)ではないからという理由で・・・。患者さん困りません?